表情
2012年1月12日木曜日
あまりに美しい表情でゾッとする、僕の菩薩様
僕は自分に満足したことがないし、状況に満足したこともない。
いつも何か非常に物足りない気持で人生を過ごして来て、気付けばいつの間にか父が僕の父となった歳になってしまった。
いままで何人かの女性とお付き合いをして、何人かの女性と一緒に暮らしたりもしたけれど、みな僕の感じている物足りなさを察したり、それに起因する僕自身の問題に疲れて去って行った。
僕は満足しないことによって、平凡な幸せを手に入れる機会をいくつも捨てて来たのだと思う。
時々、どこかの街で、夕方の光とささやかな喧噪の中を、誰かと一緒に歩いているもう一人の自分を感じる。
僕はニコニコして接客する本屋さんの店員で、早番が終わると外には彼女が迎えに来ていて、東中野の街を夕飯の買い物をしながらのんびりアパートまで一緒に帰るんだ。
手をつなぎながら。
手をつなぎながら。
「スマートフォンに変えてみよっかな」
「えー、絶対使いにくいよ」
なんて話をしながら。
「えー、絶対使いにくいよ」
なんて話をしながら。