死にそうな父と憎むべき母
2026.01.15
病院の面会室からの景色
父が癌になり、この数年、闘病しているのだけれども、どうももう長くはなさそうです。
今日は母や姉と面会に行って来たのだけれど、父はニコリとする元気もないようでした。
テレビを視聴するためのテレビカードが欲しいというので、買ってあげたのだけれど、1枚1,000円だから、何枚か買っておくかと聞くと、1枚でいいとのこと。
iPadなどがあったら映画とかも観られていいのではないかと聞くと、
「ニュースしか観ない」
とのこと。
それほど長く生きられるとは自身も思っていないだろうに、それでも世の中の動向が気になるのでしょうか。
父は体調が悪過ぎるようで、振り返りもせずに自分の部屋へ帰って行きました。
面談の後、この後のことも軽く話すために母と姉と軽く食事をしました。
父が退院した後、介護ベッドを実家のどこに置くかなどの話になった時、トイレから遠いだけでなく、暗く寒い印象の畳の部屋に置くと母が言うので、何故かと思ったら、板の間は床の端がちょっと剥がれて来たりしているから、と意味のわからない理由でした。
実家はこまめに手入れがされていて、僕の暮らす部屋よりもずっと綺麗で、正直、老い先短い老人が暮らすのに神経質に床の端のめくれがどうのとかいう話をすること自体が疑問でした。
さらに母は、
「だからなんか変な自分のこととかしてないで早く床直してって言ってたのに」
と言いました。
母の言う『変な自分のこと』と言うのは、父が母との結婚50周年を記念して、夫婦でした世界中の旅の思い出を描いた水彩画を自分で製本などして水彩画集を作ったことです。
父が死を前にして、自分の思い出を画集にして残そうとする行為を「変なこと」と言い、床を直す手続きをするべきだったと言う母。
僕は出来るだけ母とは関わらないように生きているのだけれど、
「ああ、やっぱり僕はこの人が大嫌いだし決して分かり合えないな」
と改めて思いました。