MINOLI堂が10回目の誕生日を迎えました
2021.08.15
サプライズでもらったMINOLIちゃんのお誕生日ケーキ。2枚目の写真はお友達が結婚を祝ってくれた時の写真です。
ひとりぼっちでコツコツと、
サーバーを借りたりして
『トウキョウMINOLI堂』というホームページを開設したのが、
ちょうど10年前、
2011年8月15日でした。
終戦記念日を選んだのは、
どうせならば何かしらの意味のある日にしようと思ったからです。
そもそも2011年という年に、
東日本大震災と原発事故があり、
ある日突然に終わってしまう人生というのを身近に感じ、
既にふくよかな女性の写真は撮り始めていたけれど、
「もっと自ら積極的に作品を発表する場を作ろう」
と考えて開設したのがこのサイトでした。
当時書いたサイトの紹介文がこれです。
僕は物心がついたときから、ふくよかな女性に惹かれていました。
その存在感と安心感、優し気で柔らかな印象、丸みを帯びた美 しさ。
けれども周りを見渡すと、誰もが一様に痩せた女性をもてはやし、女性も痩身を望み、僕好みの女性は何処か傷付きながらひっそり生きているのでした。
僕にとっては美しい女性達が、偏見の中で虐げられながら人生を生きて行く様は、なんとも悲しい光景です。
僕は表現者になりたいと思春期の頃から思い、けれども挫折などもし、紆余曲折を経ながら半ば諦め、けれども未だに諦めてはいません。
そうした長い時間の中で見付けた、自分の本当に追求したい主題こそ「女性」であり「愛情」でした。
僕は自分好みに「ふくよかな女性」を真摯に表現して行ければと思います。
僕が奇を衒うことなく自然に表現すれば、自ずとそれは社会にとっては目新しく映ることもあるでしょう。
そうした表現が少しでも社会的な意義を持ち、今は偏見によって無駄な哀しみを背負って生きている女性達の、未来の活き活きとした姿に繋がればと願っています。
“トウキョウMINOLI堂”は、僕個人から始まるブランドであり、活動名であり、沢山の人と沢山の共感の拠点となればと願って います。
2011.08.15 代表/写真家 Pokoより
この紹介文は今も変わらず掲載されています。
まだ『ボディポジティブ』という言葉も無かった当時から、僕は今と変わらない夢を追っていたのです。
10年間で、社会の状況は様変わりしました。
『プラスサイズ』という言葉も生まれ、随分と浸透しました。
僕が太った女性の写真を撮り始めた頃は、太った女性は、面白可笑しく仕立て上げられるか、醜い存在として描かれるか、マニア向けのアダルトコンテンツとして消費されるばかりでした。
だからこそ、僕が太った女性を魅力的な女性として普通に写真に撮って発表するということは、とても奇異なことであり、またとても尖った表現でもありました。
ですが、この10年で、ふくよかな女性を魅力的に撮った写真は、SNSなどで普通に見掛けられるようになりました。
社会は、また社会に生きるふくよかな女性の心は、変貌したと感じています。
当事者の沢山の女性達も声をあげ始めたことで、僕が自分の役割の終わりを感じたりしたことも何度もあります。
それは寂しくもあり、でも結果としては素晴らしいことです。
しかし、太った女性への偏見や差別との闘いが終わった訳ではありませんし、これからも長い闘いが続いていくだろうと思っています。
僕は10年後の20周年目にも、10年前に書いた序文と夢を、変わらずみていられたらと願っています。
あと、この10年で変わった事といえば、個人的な事ですが、そこそこ前に結婚をしました。