空の花
2017年8月26日
もっと高くまで上がるのだけど、これ以上は写真を撮る余裕が無かった。
この頃元気がないので、人と新鮮な気持で関わりたくなって、ツイッターのフォロワーさんに遊んでもらった。
僕らは初対面だったのだけど、一緒にご飯を食べて色々と話をし、その後、東京ドームシティーの遊園地へいった。
僕と彼女には共通の思い出があった。
それは、東京ドームシティーのスカイフラワーというアトラクションに関してのもので、そのアトラクションは、カゴに乗り高く吊り上げられ、色とりどりのパラシュートのように広がった傘でふんわりと降りてくる、という印象のものなのだけれど、そのポップさ優雅さとは裏腹に、幼少の僕らにとっては裏切られたかのように恐ろしかった、という思い出だ。
実は僕は、一年と数ヶ月前、他の女性と乗ってみようと挑戦したことがあったのだけど、「最大3人、165kgまで」という規定の165kgをクリア出来ず、別々で乗ることになるとのことだったので、それではつまらないと乗るのを取りやめたのだった。
今日、一緒に乗ってくれようとしている女性は、僕と同じくらいの体重だった。
それならば確実に、合わせて165kg以下だ。
スカイフラワーは、25年前の僕の記憶の通りだった。
カゴの下はスカスカで、下が見えて恐ろしかった。
カゴは思いの外高く上がり、なんの優雅さもなく勢いよく降りていった。
「うヒュー、うニューーーー」
とか声にならない声を僕があげるので、同乗していた子が、
「もう止めてもらいますか?降りますか?」
と心配をしてくれたけれども、僕は耐えた。
上下するのは二回だけなのだけど、僕にはそれで十分だった。
スカイフラワーから降りた僕は、共通の思い出を一緒に再確認した不思議な親密さを、勝手に彼女に感じた。
彼女は賢く凛として美しく、僕は彼女が好きになった。