時々、男性声優さん系などの、いわゆる腐女子の方達向けのイベントの仕事をする。
お客さんでくる女性達は、かなりの割合でぽっちゃりしていてとても可愛い。
今日もそうしたイベントで仕事をしていたら、お客さんの中に、昔の恋人のえっちゃんがいた。
僕は、こうした仕事をしていたら、いつか腐女子であもあるえっちゃんに再会できるのではと思って、実際にお客さんに目を光らせていたりすることがあったので、えっちゃんを見付けた時にも意外にも冷静だった。
僕は彼女の肩を叩いた。
「あ、はい、なんでしょう?」
と言って振り返ったえっちゃんは、落とし物を拾われた人とそっくりの反応をしたけれど、
「久し振り」
と僕が言うと、
「あ、あれ?どうしたの!?」
と驚いていた。
「今日はスタッフで入っているんだ。連絡頂戴、きっとだよ」
と僕は言って、えっちゃんと別れた。
その後、えっちゃんと五年振りに連絡を取り合った。
古い写真を使ってブログに書いてもいいかと聞いたら、えっちゃんはいいよと言ってくれた。
えっちゃんはちょっと大人っぽくなって、ちょっと大きくなって、僕の記憶の中よりもわずかほんのちょっとだけ声が低くて、変わらずにムクムクとしていて可愛らしかった。
僕はえっちゃんとまた仲良くしたい。