Poko's Blog

龍さんが死んでしまって

2015年12月7日

寝っ転がってみたのでこんな感じでした


今、タイのリペ島にいます。
 
旅に出る前夜、前に勤めていた会社の社長から電話があって、出ると、
「あ、まだ日本にいたんだ」
ととぼけたことを言います。

その後も、
「今、J-pop創世記のヒット作曲家の◯◯さんと飲んでるんだよね」
とか取り留めのない話を結構長くしていて、一体何の用だろうと思っていたら、突然、
「あのさ、龍ちゃんが死んだ」
と社長は言いました。

「ああ、いつですか?」
と僕は相当に冷静に聞きました。

龍さんが亡くなったのは、今年の5月7日のことで、もう半年前のことでした。
 
僕がひとまず冷静でいられたのは、僕の個展の開催に際して連絡を取ろうとしても、どの連絡先も繋がらなくて、
「龍さん本当に生きてるのかな?」
となんとなく予感があったからです。


龍さんは僕が社会人になったばかりの頃に、いつも一緒に仕事をしていた先輩で、僕を最初に褒めてくれたのも龍さんだし、数々の伝説を作るほどのダメな人だったけれども、飛びっ切りに優しい人でした。

僕の写真の活動を、
「面白いからどんどんやったほうがいいんじゃないかなぁ」
と25歳の僕に言ってくれたのも龍さんだし
「この頃どう?そっちの調子は」
と会う度に嬉しそうに聞いて来てくれていたので、個展の話もきっと凄く喜んでくれるだろうと思っていたのです。


リペ島のサンライズビーチで水に浸かりながら、
「ああ、綺麗だな、この光景を龍さんにも見せてあげたかったな」
なんて思いながら平泳ぎの練習をした後、砂浜に上がって寝っ転がりました。

そして横になった海をぼんやりと見ていると、僕は龍さんと一緒に景色を見ているという感覚があり、自分の中に骨肉化した龍さんがいることを強く感じました。

安い映画的に言えば、
「龍さんは自分の中で生きている」
という感覚です。

それは龍さんが個別の人間としていなくなってしまったことで、
「自分を導いてくれた龍さん」
「龍さんが導いてくれた自分」
というものが、とても鮮明になった瞬間でした。


龍さん、これからもよろしく。